深セン市政府ポータルサイト
深センが自主研究開発した超高強度炭素繊維技術、認定取得
提供元:  GD TODAY
発表時間: 2023-08-23 14:08

 8月20日、中国石油・化学工業連合会は技術鑑定会を開催した。この会では、長盛科技有限公司(ACTT)と深セン大学が共同で技術開発を行い、国産超高強度ZA60XC(T1000級)PAN系炭素繊維の1000トンレベルの工業生産技術が技術鑑定に合格した。これは、中国の超高強度炭素繊維における生産技術と生産能力が世界最先端のレベルに達していることを意味する。

 炭素繊維は、「新素材の王」と「工業の黄金」と呼ばれている。国産T1000炭素繊維の開発に成功し、1000トン規模の量産を実現したことにより、中国は日米に次いで、3番目に超高性能炭素繊維工業技術を掌握した国となった。

1.jpg

写真:長盛科技有限公司提供

 炭素繊維は、性能が優れており、価格も高い戦略的な新素材であり、炭素素材の高強度および紡績繊維素材の柔軟性による加工性を兼ね備えており、国民経済と国防建設にとって不可欠な素材となっている。

 長盛科技の首席科学者兼深セン大学教授の徐堅氏は、記者の取材に対し「例えば、民間航空機C919のエンジンのファンブレードには、炭素繊維複合素材が使用されています。その重量は従来のチタン合金より500キロ以上軽く、機体全体の重量は1トン軽くなります。これにより、航空機の燃費が改善し、航続距離が向上しています」と述べた。

2.jpg

写真:新華社提供

 T1000炭素繊維の量産化に向け、長盛科技は2021年から深セン大学と協力し、2年間にわたり技術開発を進めてきた。

 長盛科技の関係者によれば、同社は深セン大学との産学研における協力をさらに強化し、グローバル研究開発センターや配送センターなどを深センに建設する計画である。また、深センの恵まれた地理的優位性、人材、そして産業のサプライチェーンを活用することで、より高性能な炭素繊維および複合素材を研究開発し、中国の関連産業の発展に貢献することを目指している。

 新素材は、深センの発展を大いに後押しする産業の一つである。2022年6月、深センが打ち出した関連政策では、新素材の技術イノベーション・技術応用の中心地を構築し、2025年には新素材産業の付加価値額を550億元に達成する目標を掲げている。また、今年7月19日、深センは第2弾となる「20+8」産業クラスター基金を発表し、7つの産業クラスターをめぐり、市場化方式で新素材産業基金を含む5つの特別基金を設立した。


-