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中国の科学者、パーキンソン病の新たな標的治療法を提案
提供元:  新華社
発表時間: 2023-11-07 15:11

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実験室で作業をするパーキンソン病神経調節療法の研究チーム。(10月11日撮影、深圳=新華社配信)

 中国科学院深圳先進技術研究院は、同院の研究チームがこのほど、パーキンソン病治療で精度の高い標的治療法となる新たな神経調節療法を提案したと発表した。研究成果は2日、科学誌セルのオンライン版に掲載された。

 研究は、パーキンソン病が二つの重要な神経回路の影響を受けることを発見。これらの神経回路はいずれも運動の促進と抑制を司る神経細胞を含み、車のアクセルとブレーキに相当する。促進と抑制のバランスが崩れることで人体に一連の運動障害が起き、パーキンソン病が生じる。

 研究者はこれらの症状に対し、分子生物学やウイルス学、遺伝学、動物行動学、電気生理学などの学際的研究成果に基づき、新たな神経調節療法を開発した。動物実験では、脳の他の神経回路に影響を与えずにパーキンソン病に関係する特定の神経回路に正確に標的介入することができ、臨床応用への可能性が示された。

 研究の責任者、中国科学院深圳先進技術研究院の路中華(ろ・ちゅうか)研究員は、パーキンソン病以外にもうつ病や統合失調症など多くの脳疾患が特定の神経回路の機能異常と関係していると指摘。特定の神経回路に正確な標的介入を行う新たな神経調節療法は、多くの脳疾患の治療に幅広く応用され、今後の脳疾患治療の重要な方向性になる可能性があるとの見方を示した。


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